よくある質問

海保全般

海上保安庁はどのような仕事をしているのですか?

戦後、我が国周辺海域は、密航・密輸が横行する無秩序状態を呈し、また、灯台などの多くの航路標識が破壊されるとともに、数多くの機雷が浮遊する「暗黒の海」と化していました。このような状況の中、海上保安庁は、昭和23年5月、海上において、人命及び財産を保護し、並びに法律の違反を予防し、捜査し、及び鎮圧するため、当時の運輸省の外局として設置されました。

具体的には、海難救助、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕、海上における船舶交通に関する規制、水路、航路標識に関する事務等、海上の安全及び治安の確保の仕事を行っています。誤解を恐れず、敢えていうならば、海上保安庁は、陸上の警察、消防の仕事を海上において行っています。

海上保安官になるにはどうすればいいのですか?

海上保安官になるためには、海上保安庁の教育機関である「海上保安大学校」か「海上保安学校」のいずれかに入学し、海上保安官として必要な知識・技能を修得する必要があります。  海上保安大学校は、海上保安庁の幹部職員を養成するために設けられた教育機関で、本科4年とそれに続く専攻科6か月の合計4年6か月の教育期間の中で、海上保安業務を遂行するために必要な学術及び技能を教授し、併せて心身の練成を図っています。本科のカリキュラムは文部科学省の「大学設置基準」に準じており、卒業者に対して学士(海上保安)の学位が授与されます。なお、平成23年度からは、専攻科を修了後、さらに約半年間の英語を中心とした研修科国際業務課程を経て、各現場に赴任しております。

海上保安学校は、海上保安庁の一般職員を養成するために設けられた教育機関で、1年乃至2年の教育期間の中で、必要な知識及び技能を教授し、併せて心身の練成を図っています。海上保安学校には、船舶運航システム課程(航海コース、機関コース、主計コース:1年)、航空課程(1年)、情報システム課程(2年)及び海洋科学課程(1年)が設けられており、実践的な授業で各分野のエキスパートを育てます。 また、海上保安庁では、海上保安庁職員の在職状況に応じ、別途、有資格者を対象とした採用試験による職員募集を行っております。

女性の潜水士はいますか?

女性の潜水士はいません。

なお、潜水士になるためには、現場赴任後、まず各管区から選抜され、そして海上保安大学校で行う潜水研修を受ける必要があります。この研修は、海難現場において遭難者を救助するという潜水士の職務遂行に必要な知識・技能を修得するために行うもので、非常にハードな内容となっています。この研修を無事修了することができなければ潜水士になることは出来ません。

巡視船の航海は何日程度ですか?

巡視船艇の大きさ、仕事の内容によって違いますが、目安として、大型船は2週間前後、中型船は5日程度、小型船は日帰りから2・3日程度となっています。

女性は男性とは違う仕事をするのですか?また、処遇面での有利・不利はありますか?

勤務内容、処遇、転勤等の条件は同一ですし、結婚後についても変わりません。

女性職員も男性職員と同様に現場で活躍していますか?

海上保安大学校・海上保安学校を卒業すると男性職員と同様に巡視船に航海科・機関科・通信科・主計科職員としてそれぞれ乗船し、海上における治安維持や海難救助、海上防災・海洋環境の保全等の業務に携わることとなります。その後も巡視船艇に乗船し現場での取締りや救助を続ける方や陸上の事務所において勤務される方もいます。

具体例を揚げますと、
・大型巡視船の主任航海士等
・外国語研修を受け、通訳官として巡視艇での勤務
・関門海峡や明石海峡といった狭水道における船舶交通の安全を図るための管制業務
・総務課や人事課等の管理部門での事務
・航行安全に必要な情報提供や灯台等航路標識の設置・管理を行う業務
・航空基地の回転翼(ヘリコプター)機長や整備士等
・海底地形・地質や水深、海流や潮流の調査、海図(海の地図)の作成等の各種情報調査・管理・提供を行う部門での勤務等があります。

採用試験関係(工事中)

海上保安大学校編

学生には給料が支給されるそうですが、手取りはどの位になるいのでしょうか?

海上保安大学校の学生は採用と同時に国家公務員となり、月額140,100円の給与と年2回の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給されます。なお、本科在学中給料は一律です。
授業料等は一切かかりませんが、食費や教科書代等に毎月約3万円が必要であり、また、所得税、共済組合掛金等を差し引くと、毎月の手取りは約8万5千円となります。

海上保安大学校を卒業できないことはありますか?

所定のカリキュラムを修了できず、履修認定が受けられない場合には、卒業が延期されることはあります。

オープンキャンパスは行っていないのですか?

平成24年7月28日(土)及び11月3日(土)に実施予定です。
詳細については海上保安大学校総務課人事係までお問い合わせください。

どのような授業がありますか?

海上保安庁の幹部職員となるために採用された学生に対して、幅広い教養を身につけるための哲学、文学などの基礎教育科目、専門教育を受けるため国際政治、海洋学、航海学、機械力学、情報理論などの専門基礎科目、複雑化、国際化している海上保安業務に対応するための行政法、国際法、警察管理政策、海難救助工学などの専門科目、特殊技能を身につけるための逮捕術などの訓練科目、小型船舶の操船技術や通信実技などの実習科目、そして練習船による乗船実習があります。

 

授業科目は選択できますか?

細かくは選択できませんが、1学年時にロシア語、中国語、韓国語のいずれか、柔道、剣道のいずれかを、2学年時に第一群(航海)、第二群(機関)、第三群(情報通信)にわかれ群別科目を選択できます。

普通科以外(商業等)から入学した場合、授業についていけますか?

授業については、新たな科目も多く、ついていけるかどうかは、学生個人の努力によるもので、出身校によりどうかについては分かりかねます。なお、数学、物理に関しては、1学年時に授業以外に補習の時間を設けてフォローをしています。
 

長期休暇はありますか?

夏期日課(夏休み)として約4週間、冬期日課(冬休み)・春期日課(春休み)としてそれぞれ約2週間があり、その期間は原則として寮を閉鎖し、実家等で生活することになります。

全寮制を採用しているということですが、その必要性を教えてください

海上保安庁は制服官庁、規律官庁であり、業務の実施が基本的に船を単位として行われることから、初級幹部海上保安官を要請する海上保安大学校においても、上級生指導等を通じたリーダーシップの涵養等を目的に全寮制が採用されています。起床から就寝に至るまで時間割に従い生活することとなります。また、原則として各学年1名の計4名で自習室を構成し、複数の自習室で班を構成して、これらの自習室や班を単位として様々な行事等が実施されます。

寮での上下関係は厳しいですか?

寮生活は、上級生指導等を通じたリーダーシップの涵養等を目的に行われていますので、厳しい面もありますが、あくまでも良識の範囲内でのことです。鉄拳制裁、体罰といったものは一切ありません。

自動車の保有はできますか?

1・2学年においては保有もレンタカー等の運転も許可していません。3学年以上であれば許可を受ければ保有することができます。

外出や外泊は可能ですか?

勤務日であって翌日が勤務日の場合は17:15~22:15、同じく勤務日であって翌日が週休日又は休日の場合は17:15~22:45の間、週休日又は休日であって翌日が勤務日の場合は06:30~22:15、週休日又は休日であって翌日も週休日又は休日である場合は06:30~22:45の間、それぞれ外出が可能ですし、週休日又は休日の前日においては勤務日であるなしにかかわらず、届け出ることによって外泊することも可能です。

下宿等を借りることは可能ですか。また、下宿から通うことはできないのですか?

3学年以上であれば下宿を借りることは可能です。しかしながら、本校が全寮制を採用していることから、下宿からの通学は認められません。

携帯電話は使用できますか?

寮内でのみ使用することができます。課業中の携帯及び使用は禁止されています。

飲酒及び喫煙は可能ですか?

成年であれば可能です。ただし、校内(学生寮を含む。)での飲酒は特に認められた場合を除き禁止されています。喫煙は喫煙が認められた場所でのみ可能です。

サークル活動について教えてください

海上保安大学校の教育方針の一つである「強靭な気力・体力の育成」のため、学生は必ず体育系サークルに所属し、原則として、平日の7・8時限目においてサークル活動を実施することとなっています。現在活動しているとしてはカッター部、柔道部、剣道部、サッカー部、水泳部、テニス部、バスケットボール部、野球部、ヨット部、ラグビー部、逮捕術部があります。
これらのサークルのほか、邦楽部、行政法ゼミ、学生音楽隊、応援団、救難同好会、茶道同好会などがあり、学生有志により積極的に活動しています。

在学中、どのような訓練が行われるのですか?

4年間を通して、水泳訓練、潜水訓練、端艇(カッター)訓練、けん銃訓練、総合指揮(基本動作、統率管理)訓練等が実施されます。夏期日課(夏休み)前には遠泳訓練が行われ、3マイル又は5マイルを泳ぐことになります。また、1月には、耐寒訓練(柔・剣道、端艇等)が行われます。

全く泳げませんが、遠泳は大丈夫ですか?

例年泳げない学生も入学してきますが、教官の指導により泳げるようになります。ただし、本人の相当な努力が必要です。 なお、訓練についていけるかどうか不安であれば、入学前にスイミングスクール等に通い、泳ぎに慣れておく方法もあると思います。

乗船実習について教えてください

現在、3学年、4学年及び卒業後の専攻科で計12ヶ月の乗船実習を行っています。
3学年、4学年で行う乗船実習は、各授業で学んだ知識・技能を国内航海実習において実地体験し、船舶の運航技術等の基本を身につけます。また、卒業後の専攻科では、4年間に履修した知識、学術等の集大成として、約3ヶ月半におよぶ遠洋航海実習を行い、運航技術等を磨くとともに、さまざまな訓練を通じて慣海性を養います。加えて、外国訪問を通じて国際的な感覚と幅広い視野を身につけます。

海上保安大学校を卒業するとどのような仕事をするのですか?

海上保安大学校を卒業すると、海上保安官(三等海上保安正)に任官されます。その後の進路については、希望や適正により個人差がありますが、一般的には、卒業後全国各地の巡視船に主任航海士等として配属され、2~3年海上勤務を行います。その後、本庁の係員、30歳前後で大型巡視艇の船長等に就きます。その後、2~3年毎に、本庁係長、中型巡視船航海長等を経験し、40歳前後で、管区本部の課長、本庁の課長補佐などへとキャリアアップしていきます。
また、一定期間ですが、本省(国土交通省)、内閣官房、外務省など他省庁のほか独立行政法人などに出向する者も多くいますし、海外で勤務する機会もあります。
在オランダ大使館     在ノルウェー大使館
在クウェート大使館    在オマーン大使館
在ロシア連邦大使館    在中国大使館
在韓国大使館       在マレーシア大使館
在サンフランシスコ総領事館
在上海総領事館      在イスタンブール総領事館
(社)日本海難防止協会 ロンドン事務所、シンガポール事務所
(財)交流協会(台北事務所)
JICA[国際協力事業団] フィリピン、インドネシア、マレーシア

パイロットになることも可能ですか?

本人の希望と適性により、パイロットになることも可能です。 大学校卒業後に希望と身体検査などの適性検査を受け、その後約2年半の研修を受けてパイロットとして現場に配属されます。また、この研修後も乗る機体に応じてそれぞれの免許を取得する必要があります。
なお、卒業まではⅠ群(航海)、Ⅱ群(機関)、Ⅲ群(情報通信)のいずれかの専門基礎科目を選択し勉強する必要があります。同期(約45名)のうち、パイロットとして選抜されるのは2~3名と狭き門になっています。

卒業して専攻科に行かないこと(いわゆる任官拒否)も可能ですか?

大学校の卒業と同時に退職することについて、法律等で禁止されているということはありません。また、現在、退職する場合でも国に対して教育費等を返還する義務はありません。ただし、一人の学生を卒業させるまでに、乗船実習にかかる費用や給与なども含めて多額の税金を投じて育成をしています。また、海上保安庁全体として定員を管理している中で、幹部候補生として毎年必要な人数を採用していますので、退職者が出ると、人事計画に影響が出ます。安易な退職はしないようにお願いいたします。

海上保安学校編

オープンキャンパスは行っていないのですか?

毎年7月上旬頃に実施予定です。
学校の施設見学や授業見学、練習船見学等を予定しております。
詳細については海上保安学校総務課人事係までお問い合わせください。

在学中から給与が支給されるのですか?

国家公務員として採用されますので、給与が支給されます。
現在の学生の給与は行政職俸給表(一)約14万円です。
この他に期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)が、それぞれ支給されます。

海上保安学校を卒業できないことはありますか?

所定のカリキュラムを修了できず、履修認定が受けられない場合には、卒業できないことがあります。

在学中、休みはどの位あるのですか?

通常は土曜・日曜・休日が休みですが、乗船実習や訓練等を効果的に行うため、土曜・日曜・休日でも授業等を行うことがあります。
この場合には、別の日に休みを変更していますので、原則的には週休2日と考えていただいて結構です。
この他、例年8月に2週間、年末年始に10日程度連続した休みがあります。(年次休暇・特別休暇等を使用して休みます。)

学生は休日の過ごし方も決められているのでしょうか?

休日の過ごし方は定められておりません。
しかし、寮において団体生活をしていますので、消灯時間等ある程度の規則はあります。
また、外出に関しましては、許可時間が定められていますが、平日・休日共に毎日外出できます。申請をして休日の前日に外泊をすることもできます。

学校で行う訓練は、具体的にどのようなことをするのですか。また、訓練についていけない人はいるのですか?

武道(柔道・剣道・制圧術)、行軍、遠泳訓練、早朝訓練(カッター・ランニング・武道)等を行います。
大半の学生は日々の訓練で心身・体ともに鍛えられ、訓練を乗り越えています。

私は全く泳げませんが、訓練等についていけますか?

当校では毎年3マイル(約5.5キロメートル)の遠泳訓練を行っており、これに向けて泳力に応じた、プールでの水泳訓練・海面水泳訓練を行います。
例年泳ぎが苦手な学生が入学しており、水泳の訓練で苦労していますので、訓練についていけるかどうか不安であれば、入学前にスイミングスクール等に通い、泳ぎに慣れておく方法もあると思います。

卒業したら勤務地はどこになるのですか?

①船舶運航システム課程(航海・機関・主計)
採用時に決定される配属予定管区(第一管区~第十一管区)内の巡視船艇に配属され、その後も同一管区内の船艇や海上保安部等で勤務します。
②情報システム課程
採用時に決定される配属予定管区(第一管区~第十一管区)内の巡視船艇又は海上保安部交通課、海上交通センター等に配属され、その後も同一管区内の船艇又は交通課等で勤務します。
③海洋科学課程
本庁や全国の管区本部等で勤務します。
④航空課程
一定期間研修を受けたあと、飛行機又はヘリコプターの操縦士として、全国の航空基地又はヘリコプター搭載型巡視船等で勤務します。
※ なお、所定の実務経験のあと、海上保安大学校の特修科に進むことにより、将来幹部として活躍する道も開かれています。その場合は全国で勤務することになります。

パイロットになることは可能ですか?

海上保安学校には、パイロットを養成するための航空課程があります。他の課程或いは卒業後現場での募集は行っておりません。

航空整備士になるには、どうすればいいですか?

海上保安学校在学中に実施される選抜試験に合格すると、卒業後、宮城分校において一定期間研修を受け、その後整備員として各航空基地に配属されます。

潜水士になるには、どうすればいいですか?

海上保安学校を卒業後、現場において希望等により選抜され、海上保安大学校における潜水研修を修了すると潜水士になれます。

卒業後の進路として、乗船せず陸上勤務のみ続けることは可能ですか?

学校での採用課程区分により進路は異なります。船舶運航システム課程の場合、卒業後は巡視船艇での勤務となりますが、その後の希望等により陸上勤務へ進む道もあります。情報システム課程の場合、乗船勤務も陸上勤務もあります。海洋科学課程の場合、卒業後は本庁、管区本部等陸上での勤務が中心となりますが、測量船での勤務もあります。何れにしても、業務上の必要性や職員の能力・適性・希望等が考慮されることとなります。

取締等に向いてなく、事務系なら向いていると思いますが、入庁しても大丈夫ですか?

保安学校の海洋科学課程・航空課程以外で採用された方は、保安学校卒業後、巡視船艇勤務となり、海上犯罪の取締等に従事することとなりますが、数年の巡視船艇勤務後、陸上の事務系の勤務も可能です。何れにしても、業務上の必要性や職員の能力・適性・希望等が考慮されることとなります。

船艇勤務の他に総務や人事、経理等の事務の仕事もあると思いますが、事務職に就くにはどのようにすればいいですか?

当庁は治安維持や救助活動等の現場業務に多くの職員が携わっていますので、管理系の事務職については、全体の職員数と比較して少人数となっています。内部の調整や外部との均衡等を少ない人員で行う必要があることから、当庁の各種業務にある程度の知識や経験が求められますので、各職員の希望のみならず、適正等を考慮して配置することとなりますので、常日頃からの業務の積み重ねが必要です。

採用された後、管区・コースの変更は出来ますか?

採用管区・コースは本人の希望を考慮し、採用計画に基づき決定しており、また、入校後各コースの専門カリキュラムも学ぶことになりますので、これらを変更することはできません。

海上保安学校を卒業後、幹部に登用されるコースはありますか?

所定の実務経験を積んだ後、選抜試験を受け海上保安大学校特修科に進むことにより、幹部登用への道が開かれます。

大学卒ですが、給与面で有利ですか?

海上保安学校を卒業後、初任給与を決定する際に、過去の学歴、職歴を参考にしていますので、一般的には有利となります。

卒業するときに、勤務地の希望を出すことはできますか?

可能です。

全国転勤しない方法はありますか?

航空課程及び海洋科学課程採用者は全国転勤となります。また、船舶運航システム課程及び情報システム課程については、基本的に採用管区内での転勤となり、同一管区内での異動があります。いずれの場合も同一地域で長期的に勤務することは難しいです。

転勤はどれくらいの頻度でありますか?

概ね3~5年毎に転勤があります。

門司分校編

海上保安学校門司分校は、どのような人が入校し、どんなことをするのですか?

海上保安学校門司分校は、「海上保安庁船艇職員等採用試験」の受験資格である海技免状、無線従事者免状、事業用操縦士等の免許を受有している方を対象に採用試験を行い、試験に合格・採用となった方に対し、海上保安官として必要な知識を習得するための研修を行っています。

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